額改定請求

 障害年金の額改定請求とは、障害年金の受給権がある人が上位の等級を目指して請求することをいいます。
例えば、障害厚生年金3級を受給している人が、2級(または1級)を目指して請求する場合です。
 この額改定請求が可能な時期は、「厚生労働大臣の審査を受けた日から1年を経過した日後」とされています。但し、「障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合」は「1年を経過した日後」以内でも認められます。この厚生労働省令で定める場合とは、手術などはっきりとした場合に限定されています(詳細は、下記【厚生年金保険法施行規則】参照)。

 なお、障害年金の受給権者が更新のときに障害状態確認届(診断書)を提出しますが、同じ等級のままであったときは「審査」をしていない扱いとなり、「1年を経過した日」を待つ必要はなく、すぐに額改定請求が可能です。具体的な「審査を受けた日」については、事前に年金事務所にて確認してください。

 額改定請求時に必要な書類は、額改定請求書、診断書(請求日以前1ヶ月以内の現症)、そして加算対象者(配偶者、子)がいる場合は生計維持確認資料(戸籍謄本・住民票の写し・所得証明書、等)が必要です。

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起因する疾病

 前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病が起こらなかったであろうというように、前の疾病又は負傷との間に相当因果関係があると認められる場合をいい、負傷は含まれないものである。

再審査請求

 裁定請求(1回目の年金請求)および審査請求(不服申立て1回目)に続いて、厚生労働省におかれている社会保険審査会に再度不服申立てを行うことができる。これを再審査請求という。

 再審査請求は審査請求の結果を郵便で受け取った日の翌日から起算して60日以内にしなければならない。再審査請求の連絡は、厚生労働省保険局総務課社会保険審査調整室 TEL:03−5253−1111(内線3222)に行い、用紙を郵送してもらう。そして再審査請求書を書いて、送付する。

 社会保険審査会の審理の過程で、公開審理がある。この公開審理に請求人および代理人が出席して意見を述べることができる。公開審理の出席者は、請求人および代理人の他、社会保険審査会の委員3人、行政側の職員(医師含む)、参与4〜8人程度(被保険者、事業主、受給権者等の利益を代表する者。厚生労働大臣が指名する)である。公開審理の日程は社会保険審査会が決定し、請求人および代理人が変更することはできない。請求人または代理人が出席しない場合、審理は通常数分で終了する。

 この社会保険審査会の決定にも不服がある場合、裁判所に提訴することができる。

裁定請求

 1回目の請求を裁定請求という。以前の請求書は「障害年金の裁定請求書」であったが、「年金請求書」に代わっている。

 1回目の請求の提出先は、以下の通り。
・障害基礎年金のみ(第3号被保険者期間中の初診を除く) ⇒ 住所地の市区町村役場
・障害基礎年金のみ(第3号被保険者期間中の初診) ⇒ 年金事務所
・障害厚生年金含む ⇒ 年金事務所

事後重症請求

 障害認定日には一定の障害状態にないために受給できなかった者がその後65歳に達する日の前日までに一定の障害状態に至った場合は、65歳に達する日の前日までに請求することにより受給できるもの。請求日の翌月からの受給(遡及はしない)となる。必要な診断書は、請求時の3ヶ月以内の症状で作成されたもの1部が必要となる。

   ▼事後重症請求のイメージ

事後重症請求イメージ.gif

社会的治癒

 「社会的治癒」とは、医学的な意味では治癒したとは言えないが、傷病の症状がなくなり社会復帰が可能となり、治療投薬を必要とせず、外見上治癒したと見えるような状態がある程度の期間にわたって継続することであり、保険給付上はこれを治癒に準じて取り扱うことが承認されている。なお、「治療投薬」については維持的・経過観察的な治療が継続していても社会的治癒の成立を妨げないとされている。また、「ある程度の期間」とは傷病によっても異なり、最低でも数年レベルは必要という傾向である。

『社会的治癒の法理は、傷病が外見上治癒したと見える期間が相当の長さにわたり継続した場合に、被保険者のその事実に対する信頼を保護して救済を与える趣旨のもとに考案されたものである。』(社会保険審査会・平成18年1月31日採決より)

障害認定日

 「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日又は1年6月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)をいう。

 なお、「治った日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)」は以下が認定基準に記載されている。

喉頭(こうとう)全摘出手術を施した日
人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日
切断又は離断による肢体の障害は、原則として、切断又は離断をした日(障害手当金の場合は創面(表面)が治癒した日)
在宅酸素療法を施行中のものについては、在宅酸素療法を開始した日
心臓ペースメーカー、又はICD(植込み型除細動器)、又は人工弁を装着した日
人工透析療法施行中のものについては、人工透析療法を初めて受けた日から起算して3月を経過した日
人工肛門を造設し又は尿路変更術を施した場合はそれらを行った日から起算して6月を経過した日(H27.6改正)
新膀胱を造設した場合はその日
人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設した場合は、人工肛門を造設した日から起算して6月を経過した日または新膀胱を造設した日のいずれか遅い日(H27.6改正)
人工肛門を造設し、かつ、尿路変更術を施した場合は、それらを行った日のいずれか遅い日から起算して6月を経過した日(H27.6改正)
人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害状態にある場合は、人工肛門を造設した日又は完全排尿障害状態に至った日のいずれか遅い日から起算して6月を経過した日(H27.6改正)
脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき
神経系の障害により、現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき
遷延性植物状態は、その障害の状態に至った日から起算して3月を経過した日以後に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、『傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日』とは、具体的な例は以下の通り。

@初診日  :平成23年2月25日
 障害認定日:平成24年8月25日(1年6月を経過した日)

A初診日  :平成23年8月31日
 障害認定日:平成25年2月28日(1年6月を経過した日)

障害認定日請求

障害認定日に一定の障害状態にあると考え請求するもの。認められれば障害認定日の翌月分から受給できる。

障害認定日請求には、本来請求と遡及請求がある。

本来請求

 障害認定日から1年以内の請求(障害認定日から3ヶ月以内の症状で作成された診断書1部が必要)

本来請求イメージ.gif

遡及請求

障害認定日から1年経過後の請求(最大過去5年分が遡って受給できる)(障害認定日から3ヶ月以内の症状で作成された診断書1部と請求時の3ヶ月以内の症状で作成された診断書1部が必要)

遡及請求イメージ.gif

 ※遡及請求は、初診日が古くなればなるほど初診の証明が取りづらくなり、請求者に不利益に働くことが多い。

審査請求

 裁定請求(1回目の年金請求)の結果に納得がいかない場合、全国に8箇所ある厚生労働省地方厚生局の社会保険審査官に不服申立てを行うことができる。これを審査請求という。

 審査請求は裁定請求の結果を郵便で受け取った日の翌日から起算して60日以内にしなければならない。障害年金請求の決定書に書いてある地方厚生局社会保険審査官室へ電話して審査請求用紙を送付してもらう。

 審査請求を行った日から60日以内に決定がなされないときは審査官が請求を棄却したものとみなして再審査請求をすることができる。

請求結果の用語

不支給
 審査をした結果、障害の状態が障害等級に該当すると認められないなどの理由で年金を支給しないこと

却下
 保険料の納付要件などの請求資格がないなどの理由で、内容の審査を行わなかったこと

棄却

 審査を行ったうえで、行政の処分が正しいと判断し、請求を認めないこと

容認
 不服申立てを認め、行政に処分の見直しを求めること

相当因果関係

 医学上、前の疾病又は負傷がなかったならば後の疾病が起こらなかったであろうと認められる場合、前の疾病又は負傷との間に相当因果関係があるという。具体的には以下のように取扱われている。

 相当因果関係あり

・糖尿病と糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性壊疽(糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症)
・糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、慢性腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたもの(両者の期間が長いものであっても)
・肝炎と肝硬変
・結核の化学療法による副作用として聴力障害を生じた場合
・手術等による輸血により肝炎を併発した場合
・ステロイドの投薬による副作用で大腿骨頭無腐性壊死が生じた場合
・事故または脳血管疾患による精神障害がある場合
・肺疾患に罹患し手術を行い、その後、呼吸不全を生じたもの(肺手術と呼吸不全発生までの期間が長いものであっても)
・転移性悪性新生物は、原発とされるものと組織上一致するか否か、転移であることを確認できたもの

 

 相当因果関係なし

・高血圧と脳内出血・脳梗塞
・糖尿病と脳内出血・脳梗塞
・近視と黄斑部変性・網膜剥離・視神経萎縮

治った場合

 傷病が「治った場合」とは、器質的欠損若しくは変形又は機能障害を残している場合は、医学的に傷病が治ったとき、又は、その症状が安定し、長期にわたってその疾病の固定性が認められ、医療効果が期待し得ない状態に至った場合をいう。

はじめて2級(基準傷病、基準障害)

 障害等級1級又は2級に該当しない障害の状態にあった者が、その後に生じた傷病(以下「基準傷病」という)の初診日において被保険者等に該当し、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間に、初めて基準傷病による障害(以下「基準障害」)と他の障害とを併合して障害等級1級又は2級に該当する程度の障害の状態に該当したときは、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金が支給される。
 なお、複数の障害を併合した障害については障害認定基準に「併合等認定基準」がある。

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